
【執筆者】管理栄養士 伊藤友美
ーーーーーーーーーーーーーー
ダイエット方法の一つとして、プロテイン置き換えダイエットがあります。プロテイン置き換えダイエットの効果ややり方について解説していきます。
プロテイン(Protein)は英語であり、タンパク質という意味です。
たんぱく質は主に魚や肉や卵などの動物性食品、大豆製品などの植物性食品に含まれている栄養素です。
最近日本では、プロテインというと、タンパク質を主成分にした飲料のことを指します。
プロテイン置き換えダイエットとは、その名の通り、通常の食事をプロテインで置き換えるというもの。
魚や肉などたんぱく質を多く含む食品は、たんぱく質だけでなく、ダイエットをするうえでは控えたいカロリーや脂質の量が結構高いものが多いので、カロリーが少なく低脂質・低糖質のプロテインをうまく食事と置き換えて、ダイエットを成功させるという意図があります。
プロテイン置き換えダイエットは、先ほどお伝えした通り、食事の代わりにいろいろなメーカーから出ているプロテインを水や牛乳などに溶かして飲むダイエット方法です。
どういう飲み方がダイエットに最適か?を見ていきます。
牛乳には脂質が含まれていたり、カロリーが高くなりがちになるので、水で溶かして飲む方が低脂質・低カロリーでダイエット効果が得られやすくなります。
どうしても牛乳でという場合は、低脂肪乳や無脂肪乳などを活用するのがよいでしょう。
豆乳で割る場合も、牛乳と同様です。
豆乳には脂質が含まれていたり、カロリーが高くながちになるので、水で溶かして飲む方が低脂質・低カロリーでダイエット効果が得られやすくなります。
どうしても豆乳でという場合は、成分無調整のものを活用してみてください。
ただし、牛乳や豆乳で割った方がプロテインが飲みやすいというメリットがあります。
1日のカロリー摂取量・脂質の摂取量を調整できるのであれば、牛乳や豆乳で割っておいしくいただくというのもありでしょう。
もっと手軽に摂りたいという人は、プロティンバーを摂取することもできます。
ただ、チョコレートバーになっているものはカロリーが高いものがあるので、カロリーが気になる人や即効性を求める人にはお勧めできません。
プロティン置き換えダイエットは手軽に始められるダイエット方法であると栄養士の私からみても思いますが、肉や魚、卵などにはタンパク質のほかに血液や骨を作る鉄分や抗酸化作用など体に必要とされているビタミン群が含まれているので、すべてを置き換えしていまうとそれらが不足してしまう危険性があり、体に不調が現れたりするので注意が必要です。
脂身の少ない肉や低カロリー高蛋白質のささみ、カロリーの少ない白身魚や植物性蛋白質の大豆製品などをうまく取り入れたうえで、高カロリーになりそうな主菜の代わりにプロテインを置き換えるなど自分の生活や体質に合わせて、うまく活用することが大切になってきます。
一食分丸々プロテインだけで済ませてしまったり、それどころか2食、3食すべてをプロテインだけにしてしまうとほかの栄養素が極端に不足、健康的にきれいにやせることができません。
ダイエットが成功したように見えても、髪はバサバサ、肌はガサガサなど見かけだけでなく、疲れやすいや貧血を起こして倒れてしまうなどということになってしまってはどうもこうもありません。
どうしても即効性を求めたい場合は、ほかの不足しがちな栄養素を補うことのできるプロテインを活用するようにしましょう。
ダイエットをするうえでやはり一番気になることは・・・効果があるのかどうかということですよね。プロテイン置き換えダイエットが本当に効果があるのかどうか分からずに実践に移すのも無駄な時間を費やしてしまうなどのリスクを負いかねません。
なので、まずこのダイエット自体効果があるのかどうかお話しさせていただきますね。
まずは効果があったという口コミから、
「夏に向けてダイエットを一念発起。絶対に痩せる!という固い決意で臨みました。
朝はがっつりカツ丼などもいきましたが、昼、夜2食置き換えで、口がさみしくなったときには、梅昆布屋おなかがすいてしまった時には湯どうふなどを食べて(熱々にすると一気に食べられないため時間がかけられるから)で乗り切りました。
ダイエットをやめても、ガツガツ食べる習慣から遠ざかっていたため、普通食に戻っても食べ過ぎたときは一食置き換えたりで体重はキープしていました。」
「最初の2か月でマイナス7キロの後はペースを落としてゆっくり。さらに2カ月でマイナス3キロで、初めて4カ月でマイナス10キロに成功しました。」
口コミからこの方法でダイエットを成功させている人もいますね。
口コミにもある通り3食しっかり食べたときに比べると摂取カロリーが低くなるので、痩せられるという仕組みになっています。
加えて、ダイエットは摂取カロリーより消費カロリーが高くなることにより、成功率が高くなるので、消費カロリーを増やすためにも適度な運動も合わせて行うとより効果的です。
また、食事を置き換えしているからとて、おなかがすいたときにお菓子を食べてしまったりなど間食が過ぎてしまうと効果が得られにくくなります。
(当然食べすぎれば逆に太ります)
食事を食事の間にどうしてもおなかがすいてしまう場合は、ゆで卵や豆腐、大豆バーなど低カロリー高たんぱく質のものを選択して摂るようにしてみましょう。
糖質は多いですが、バナナを一本摂ってもよいでしょう。食物繊維が多いので、お勧めです。
ナッツなどは脂質も多いのですが食物繊維も多く、かみごたえもあるので満腹感が得られやすくなります。ただ、やはり食べ過ぎてしまうとその分カロリー、脂質、糖質が多くなってしまうので、食べる量をご自分なりに考えることも必要です。
アスリート並みに筋肉をつけて、引き締まった体を作りたいという人もなかにはいるかもしれません。
その場合は、置き換えではなく、あくまでも食事の補助として摂取すると考えてもらった方がいいでしょう。
プロテインは、どの食事で置き換えればいいのか気になるところですよね。
栄養士としてお勧めできるのはずばり夕食です。
夕食は、あとは寝るだけ、カロリーの消費自体も少なく、脂肪に代わる糖質などが体内にたまってしまいがちです。
それを防ぐためにも、夕食はなるべく控えた方がいいとされているのです。
また、疲れをとり、筋肉を強化してくれる成長ホルモンは寝ている時に分泌されるため、夜にプロテインを摂ることで成長ホルモンの働きをサポートすることができます。
さらに、就寝中に筋肉が分解されるのを防いでくれます。
そして、次にお勧めのタイミングは朝です。朝は体のタンパク質が少なくなっている状態なので、朝にプロテインを補充してあげると筋肉がつきやすくなり、効果的です。
ダイエットを成功させるには、プロテインで置き換えた以外の食事も重要です。
ダイエットしていない時よりご飯の量を減らしてみたり、肉にしてもバラ肉などの脂身の多いものではなく、赤身の肉やささみ、または豆腐などの植物食品などの低脂肪高たんぱくのものを置き換えしない食事に取り入れ、ビタミンや食物繊維の摂れる野菜だけでなく、低カロリーのきのこ類や海藻類を一緒に取り入れましょう。
もし、夏に水着を着たいので、とにかく早く痩せたいとか何か目的があって、2食を置き換えする人もいるかもしれません
2食を置き換えるとその分ダイエットには大敵にされているカロリー、脂質ともにおさえることになるので、人によっては痩せられることもあるでしょう。ただこれはかなり強い意志が必要になります。
というのも、先ほどにも述べた通り空腹に耐えられなくて我慢できずに間食を取ってしまったり、継続することができずに、途中で挫折するというリスクがでてくるからです。食事にこだわりを持つ人や食べることが大好きな人にとっては、とてもつらいものになるかと思います。
健康にきれいに痩せるためには必要な栄養素をきちんととる必要性があります。その人の置き換えをしない食事内容によっては他に必要なビタミンや食物繊維などの栄養素が不足する恐れもあり、それらの栄養素が不足しないためにもかなりの注意が必要です。
どうしても2食をプロテインに置き換えて、ダイエットをする場合は、他の1食分の食事を先ほども説明させていただいた通り、栄養のバランスをきちんと考えて、低脂肪高蛋白質の食品や食物繊維の多い野菜やきのこ、海藻などをきちんと摂るようにしましょう。
後の食事内容がおいしく食べられるものでないと、やはりこの2食プロテインダイエットの置き換えというのは成功率が低いかと思われます。