ダイエット中のたんぱく質は必要か?【管理栄養士執筆】

【執筆】管理栄養士 松岡沙也香
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たんぱく質は私たちの体をつくる原料になります。たんぱく質は生体内ではさまざまな機能を持ち、構成成分、機能及び場所などによって分類されています。

たんぱく質の種類

一言にたんぱく質と言っても、以下のような種類があります。

①構造たんぱく質(細胞や生体の形の維持)
コラーゲン(結合組織)、エラスチン(結合組織)、筋肉たんぱく質(アクチン、ミオシン)、
ケラチン(髪や爪)
②酵素たんぱく質(生体内のさまざまな反応の触媒)
アミラーゼ、ペプシン、へキソキナーゼ
③輸送たんぱく質(吸収、合成された物質の運搬/膜を介する能動輸送にも関与)
 ヘモグロビン(酸素運搬)、アルブミン(重金属・ビリルビン・薬物・脂肪酸などの運搬)
 リポたんぱく質(脂肪運搬)、トランスフェリン(鉄運搬)
④貯蔵たんぱく質(栄養源を特定の器官に確保)
 フェリチン(鉄の貯蔵)、ミオグロビン
⑤収縮たんぱく質(筋肉の収縮に関与)
 アクチン、ミオシン
⑥防御たんぱく質(生体防御機構としての作用)
 イムノグロブリン(免疫反応の抗体)、フィブリノーゲン(血液凝固因子)、トロンビン、
 免疫反応に関わるサイトカイン(インターロイキン、インターフェロン)
⑦ホルモンたんぱく質(標的細胞、組織における諸機能の制御、調節)
 インスリン、成長ホルモン

ダイエットで注目のたんぱく質は?

ダイエットにおいて特に注目していただきたいのが筋肉たんぱく質です。

筋肉が多ければ多いほど基礎代謝量(何もしなくても消費するエネルギー)は上がり、いわゆる「痩せやすい身体」になるのですが、筋肉の原料であるたんぱく質を控えた食事を続けていると、筋肉が減り、いわゆる「痩せづらい身体」になってしまうのです。

極端な食事制限を始める前に、まずは筋肉量を増やして痩せやすい身体をつくることから始めましょう。

たんぱく質が不足すると

筋肉、代謝の衰えに加え、肌荒れ、くすみ、シミ、シワ、髪のパサつき、抜け毛が症状として現れます。
良質なたんぱく質の摂取に努めましょう。また、以下の組み合わせで摂取するとより効果的です。

 肌荒れ、くすみ・・・・・・良質なたんぱく質+ビタミンC+ビタミンE
 シミ、シワ・・・・・・・・良質なたんぱく質+ビタミンC
 髪のパサつき、抜け毛・・・良質なたんぱく質+IPA・DHA+ビタミンE

※ビタミンCを多く含む食品
 ブロッコリー、ほうれん草、赤ピーマンなどの野菜。じゃがいも、さつまいも、柑橘類、
 いちごなど。
※ビタミンEを多く含む食品
 小麦胚芽油、オリーブ油、アーモンド、ヘーゼルナッツ、かぼちゃ、ほうれん草、
菜の花など。

ダイエット中のたんぱく必要量

具体的にたんぱく質はどれくらい必要なのでしょうか。

一般的に30歳女性の必要蛋白質の推奨量は50gであるとされています。

このたんぱく質50gは鶏のから揚げでいうと約10個分、豆腐でいうと約2.5丁分から摂取することができる量です。

通常、たんぱく質が直接エネルギー材料になることはないですが、ダイエット等による極端な食事制限によって十分な炭水化物や脂質の摂取がないときは(飢餓状態)、筋肉などの体構成成分が犠牲になってこれをエネルギー材料として使うことがあるため、たんぱく質の十分な摂取が必要になってきます。

ただし、肉、卵、チーズなどといった動物性たんぱく質摂取量が増えることは動物性脂質摂取量の増加につながることから、食材の選択、量には注意が必要です。

ダイエット中のオススメ食材

①高たんぱく質、低カロリーの食材

魚介類:マグロ、タラ、カツオ、サケ、エビ、タコ、イカ
肉:鶏ささみ、豚ヒレ肉
大豆製品:高野豆腐、豆腐、きなこ、大豆

※また、肉の脂身や皮をカットする等の工夫で低カロリーにすることができます。

②L-カルニチンを含む食材

たんぱく質を構成するアミノ酸の一種で、体内では「リジン」という必須アミノ酸から合成されています。L-カルニチンは体内で脂肪を燃焼させる脂質代謝に欠かせない成分ではありますが、ダイエットに効果があるかどうかは、まだはっきりとはわかっていません。

例:羊肉、牛肉、豚肉、鶏肉

ダイエット中のたんぱく質のとり方

ただ単にたんぱく質を摂取するだけでは筋肉量はなかなか増えてきません。

効率よく筋肉量を増やすには、たんぱく質摂取に加えて運動が必要不可欠です。

年齢にかかわらず、筋肉は鍛えることで太くなります。(ただし、高齢の方が新陳代謝が遅くなるため、トレーニング効果の出かたは遅くなる傾向があります)

運動の種類としては無酸素運動(ウェイトトレーニング)が、また、食事を摂るタイミングとしては運動終了30分以内(ゴールデンタイム)が、筋肉合成に有効とされています。

有酸素運動は皆さんご存知の通り体脂肪を減少させるトレーニングです。無酸素運動と有酸素運動を上手に取り入れてダイエットに取り組んでみてください

ダイエット中のオススメレシピ

低カロリー、高たんぱく質であるオススメ食材を使ったレシピの紹介です。

豆腐と鶏ミンチの巾着煮

材料【4個分】
  ・油揚げ・・・・・・・・・・・・・・・2枚
  ・鶏ミンチ・・・・・・・・・・・・・・100g
  ・豆腐・・・・・・・・・・・・・・・・半丁(150g)    
  ・人参・・・・・・・・・・・・・・・・1/4本    
  ・乾燥ひじき・・・・・・・・・・・・・大さじ1
  ・きのこ(しいたけ、しめじなど) ・・・50g
  ・生姜・・・・・・・・・・・・・・・・少々
 
  ・だし汁・・・・・・・・・・・・・・・150cc
  ・酒・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ1
  ・みりん・・・・・・・・・・・・・・・大さじ1/2
  ・砂糖・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ1/2
  ・醤油・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ1弱

〈1人あたり〉
エネルギー219kcal/たんぱく質15.2g/脂質10.8g/炭水化物5.5g

作り方
①豆腐はキッチンペーパーに包んでレンジで2分加熱し、水切りする。
②乾燥ひじきは水でもどす。
③油揚げは熱湯をかけて油抜きをし、半分に切る。
④人参、きのこは小さく切る。
⑤水切りした豆腐とひじき、人参、きのこ、鶏ミンチを混ぜる
⑥切った油揚げに⑤を詰めて、爪楊枝で口をふさぐ。
⑦鍋にだし汁、酒、みりん、砂糖、醤油を入れ、中火にかけ⑥を並べる。
⑧弱火で蓋をして、15分煮る。

★メモ★
 野菜をしっかりとりましょう。野菜にはエネルギー代謝を円滑にするビタミンが豊富に含まれています。また、野菜は低カロリーなうえ、空腹感を満たしてくれます。

ささみと胡瓜の南蛮サラダ

材料【小鉢4人分】
  ・胡瓜・・・・・1本
  ・鶏ささみ・・・3本(約150g)

  ・だし汁・・・・大さじ2
  ・醤油・・・・・大さじ2
  ・酢・・・・・・大さじ3弱
  ・砂糖・・・・・大さじ1.5

〈1人あたり〉
エネルギー105kcal/たんぱく質9.0g/脂質0.3g/炭水化物1.1g

作り方
  ①鶏ささみは茹で、粗熱をとって細く裂く。
  ②胡瓜は細切りにして塩をふり、絞る。
  ③だし汁、醤油、酢、砂糖を合わせ、①、②を漬ける。

★メモ★
 酢は疲労回復の効果があります。運動あとの食事で是非取り入れてみてください。

タラのチリソース

材料(2人分)
・タラ・・・・・・・3切れ
・玉ねぎ・・・・・・1/2個
・レタス・・・・・・適量
・片栗粉・・・・・・適量
・豆板醤・・・・・・お好みで

・水・・・・・・・・大さじ4
・ケチャップ・・・・大さじ3
・料理酒・・・・・・大さじ1
・砂糖・・・・・・・小さじ1
・片栗粉・・・・・・小さじ1
・ウェイパー・・・・小さじ1
・おろしにんにく・・少々
・生姜・・・・・・・少々

作り方
①タラを一口大に切り、塩こしょうをふりしばらく置く。
 出てきた水分を拭く。
②タレの材料を混ぜ合わせる
 玉ねぎはみじん切りにする。レタスはちぎっておく。
③タラに薄く片栗粉をまぶし、フライパンで焼き色がつくまで焼き、とりだしておく。
④フライパンを拭き、豆板醤を炒める。香りがでたら玉ねぎを加え、しんなりするまで炒める。
⑤合わせておいたタレを加え、全体にトロミがついたらたらを戻し入れる。
⑥お皿にレタスを敷き、その上に盛る。

〈1人あたり〉
エネルギー215kcal/たんぱく質21.6g/脂質1.3g/炭水化物5.4g

★メモ★
 油を控えたりすると、肉や魚などの素材はパサつきやすく、味もさっぱりしてしまいがちなのが難点です。そんなときにオススメなのが、とろみ使いです。片栗粉をうまく利用しましょう。

ダイエット中のたんぱく質不足にプロテイン

たんぱく質を摂りたいけれど、「料理ができない」、「食事をとる時間がない」という方にはプロテインを利用されるのも1つの方法です。

また、食事でたんぱく質を摂ろうとすると脂質も多く摂ってしまう傾向があるので、脂質が調整されたプロテインを利用されると安心かと思います。プロテインには大きく分けてホエイプロテイン、カゼインプロテイン、大豆プロテインの3種類があります。それぞれの特徴を理解して、自分にあったものを上手に生活に取り入れましょう。

・ホエイプロテイン・・・牛乳に含まれるたんぱく質の一種です。ミネラルや水溶性ビタミンも含まれます。吸収率が高く、必須アミノ酸、BCAA(分岐鎖アミノ酸)が豊富であることが特徴です。
・カゼインプロテイン・・・牛乳を主成分とします。お腹の中で固まり、ゆっくり吸収されるため、満腹感を感じやすいです。アミノ酸、グルタミン酸が豊富です。
・大豆プロテイン・・・・・大豆のたんぱく質を粉末にしたものです。吸収がゆっくりであるので、満腹感があります。大豆に含まれるイソフラボン(女性ホルモンはだ)の効果で肌や髪を美しく保ちます。アルギニンが豊富です。

※BCAA(分岐鎖アミノ酸)・・・必須アミノ酸であるバリン、ロイシン、イソロイシンのこと。筋肉たんぱく質の合成を促進し、分解を抑制する働きがあります。
※グルタミン酸・・・・・・・・非必須アミノ酸の一種。エネルギー代謝に関与します。
               体内で糖質や脂質から合成可能です。